さつまいも なぜ農家は黒マルチを使うのか 収穫量 【2022年実証】

【この記事はこんな方におススメ】
・さつまいもを大きくしたい方
・黒マルチの目的がわからない
・さつまいも栽培初挑戦の方

今回は2022年に実際に黒マルチの有無を検証したのでその結果と要因を記載していきます。ぜひ、黒マルチの意義について今一度理解して今年のサツマイモ栽培にいかしていきましょう。

芋を肥大させたいなら黒マルチするべし!

黒マルチを使用して142日目で収穫した紅はるか

結論から言うと芋を肥大させたいなら黒マルチをした方がいいです。あとで具体的に実証結果も記載していきますが、そもそも黒マルチをする意義は皆様理解していますでしょうか。

私自身、除草の為だけだと思っていましたが、違いました(笑)
黒マルチの効果としては「除草」・「肥料流出の防止」「地温の上昇」などがあります。サツマイモの肥大で左右させたのは「地温の上昇」だと考えられます。

さつまいもの収穫は積算温度が3,000℃前後必要になります。その為、早く芋を肥大させるには積算温度を早く3,000℃に持っていく必要があります。その為、黒マルチをすることで地温が上昇して、芋も早めに肥大します。

他の種苗屋様で比較検証の動画もありましたが、やはり、黒マルチで地温上昇させた芋の方が肥大しておりました。

つまり、芋を早く肥大させるのには黒マルチは有用だと考えられます。つまり、黒マルチをしなくても時期がくれば、積算温度3,000℃になるので自然と芋が肥大すると考えられます。

紅はるかの黒マルチの有無による収穫量比較

苗の植え付け時期:5月12日
収穫時期:10月1日
栽培期間:142日間

1株当たりの収穫量
マルチ有り⇒1キロほど
マルチ無し⇒500グラムほど

数字にも表れているように目に見えるように倍以上の収穫量が違いました。
紅はるかを早めに(130日程)収穫したい方は黒マルチを使用することおススメします
逆に遅めに収穫したいという方は、使用しない方が良いでしょう。
※さつまいもは肥大しすぎると食味が落ち、さらには大きくなりすぎて破裂するものまでございます。

因みに126日目に試し掘りしたところ、芋のほとんどが1個当たり200グラム以下となっていました。最後の2週間程で芋がうまい具合に肥大してくれました。その為、定期的に試し掘りをすることが非常に重要で焦って小さい芋を早めに収穫しないようにしましょう。

紅あずまの黒マルチの有無による収穫量比較

126日目に収穫した紅あずま(黒マルチを使用)

苗の植え付け時期:5月12日
収穫時期:9月15日
栽培期間:126日間

1株当たりの収穫量
マルチ有り⇒1キロ超
マルチ無し⇒500グラム以下

こちらも、紅はるか同様にマルチ有りの方が圧倒的に大きい結果となりました。
紅あずまに関しては126日目に試し掘りをしたところ、マルチ有りの方は1個1キロ超えのものもあり、その日のうちに全て収穫することにしました。
芋の肥大には成功しましたが、少し肥大しすぎてしまった為、来年は110日当たりから定期的に試し掘りをしていこうと思います。

マルチは他にもメリット有り

  • 雑草の防除をしてくれ、成長の妨げを防ぐ
  • 食味UP
  • 収穫時の蔓はがしが楽
    ※畝の周りが雑草だらけだとマルチはがしに凄く労力を使うので要注意
    ⇒苗植え付け後、数週間は周囲を除草してあげましょう。その後はさつまいもの蔓が成長し、雑草は勝手に抑制される

一般的な芋を肥大させる方法

  • マルチを使用して栽培
  • 定期的につる返し ※不定根が多いと芋まで栄養がいかなくなるため
  • 蔓ボケの際にはカリウムが入った肥料を使用 ※逆に窒素が含まれると蔓ボケを進行させてしまいますので要注意

最後に

サツマイモ栽培における黒マルチの有無による収量などについて記載していきましたが、もちろん、メリット、デメリットともにあります。特にマルチャーなどの機械がない場合はマルチをするのにかなりの労力と時間が掛かります。

なので、黒マルチの役割を理解した上で、各々にあった栽培方法を見つけると一番いいでしょう。

追記

2023年9月6日
2023年9月6日

2023年は全て黒マルチを使用してサツマイモ栽培しました!(^^)!

結果は大成功でした。ほとんどがA品で焼き芋サイズにちょうど良い形になりました。

お客様からも好評でした。

定植日:2023年5月9日

収穫開始:2023年9月6日

収穫日数:120日

栽培地:群馬県高崎市

圃場条件:元肥なしの砂地

その他:株間30cm、条間90cm、斜め植え

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